個人事業主の資金繰り表

資金繰り表は、企業・個人が一定期間の現金の収入や支出を表にしたものです。資金不足になりそうなタイミングが事前に把握できるため、資金の流れを管理する際に役立ちます。

ここでは個人事業主が資金繰り表を作成するメリットと資金繰り表の作成方法を紹介します。

個人事業主が資金繰り表を作成するメリット

個人企業主が資金繰り表を作成すると、将来の資金の収支予定が把握できます。資金繰り表を通じて資金がショートする可能性が予測できれば、以下のような対処ができるでしょう。

• 売掛債権を買い取ってもらえる
• ファクタリングで現金化を急げる
• 買掛金の支払いが先延ばしできる

そもそも資金繰りは、手元の運転資金でまわすことが望ましいため、短期借入金で一時的な資金不足が解消できれば良い、というわけではありません。資金繰り表の作成により、なぜ資金不足なのか原因が特定できるでしょう。

他にも、経営戦略を立てる材料としても役立ちます。お金に余裕がありそうなときは、その状態をできるだけ継続させるためにはどうするべきか、分析ができます。一方で資金不足に陥りそうなときは、経営を改善させるための戦略を立てる際の判断材料としても使えます。

個人事業主が資金繰り表を作成する方法

資金繰り表は作成が難しそう…と考えている人は多いです。確かに作業は多いですが、実際には現金の出入りを入力するだけなので、それほど難しい作業はありません。

準備を整えることが第一関門

パソコンを使って資金繰り表を作成する際は、エクセルを使用するのが一般的です。

エクセルがインストールされているパソコン、損益計算書や貸借対照表などの決算書、月次試算表、借入返済の予定表、現金・預金出納帳を用意しましょう。これらが整っていれば、資金繰り表が作成できます。

資金繰り表に入力する項目

資金繰り表に入力する項目は、以下の通りです。

• 前月繰越：前月から繰り越された現金出納帳
• 収入：売上代金の項目4つに前受金とその他の収入を合計した金額
• 支出：仕入代金の項目3つに人件費などの経費やその他の支出、税金を合計した金額
• 営業支出：営業収入から営業支出を引いた金額
• 財務収支（収入と支出）：事業には直接関係のない収入と支出
• 翌月繰越：前月繰越と今月の収支を合計した金額

わかりやすく、見やすく整える

資金繰り表は項目が多いため、見たときにどこに何の数字が書かれているのかわからない…という状態になりかねません。資金繰り表を作成するときは、わかりやすさや見やすさを重視してレイアウトしましょう。必要な計算式を入れ、金額を入力するだけで簡単に資金の状況がわかるようにしておくのがおすすめです。

収支を予測するタイミングが重要

資金繰り表を作成する際は、収支を予測するタイミングも重要です。いつ頃収入があるのか、そしていつ頃支出があるのかは明確になっている場合は、そのまま収入・支出を予定している月に入力しましょう。

ただし、収入や支出の時期が明確ではない場合、以下のポイントを意識して予測してください。

• 収入のタイミングは遅めに予測する
• 支出のタイミングは早めに予測する

この2つをまもっていれば、予測がずれて資金不足に陥る…ということはありません。また予測や実績を比較することで、ズレが発生したときに原因を探れます。

まとめ

個人事業主の資金繰り表の作成は、資金の動きを予測するために役立ちます。あらかじめショートする予測ができれば、対策も可能です。またこれからの経営をどのように行っていくべきか、といった経営戦略を立てる材料としても役立ちます。

以下ページでは、個人事業で成功するために知っておきたい情報をまとめています。個人事業での成功を目指している方は、ぜひ参考にしてください。